屋根塗装で使用するタスペーサーの重要性
2018.04.12
屋根の塗替えを検討する際に、よく出てくる言葉として『タスペーサー』があります。
あまり聞きなれない言葉ですが、実は屋根塗装で重要な役割を果たすこの『タスペーサー』について
今回説明致します。
現在日本の住宅の屋根材において、一番多く使用されているのが「化粧スレート」です。
カラーベストやコロニアルなどと呼ばれる事もありますが、基本的には同じものだと考えて下さい。
特徴としては、軽量・安価でカラーバリエーションが豊富といったところです。
なぜ最初に化粧スレートについて簡単な説明をしたのか。
それはタスペーサーが、"化粧スレートの屋根塗替えだけ"に使用する道具だからです。
セメント瓦・モニエル瓦・アスファルトシングルなどの屋根材の塗替えについては、使いません。
次に化粧スレートの構造について見てみましょう。
化粧スレートは、屋根材の表面にわずかな溝があり、屋根材と屋根材の間に隙間が出来ます。
この隙間をあえて作る事で以下の利点があります。
・屋根に侵入した雨水を排水出来る事
・屋根内の通気性を良くし、結露を防げる事
その結果、雨漏りや結露による屋根内部(特に野地板)の腐食をし難くさせる事が出来るのです。
しかし、屋根の塗装を行うと、どうしても段差(重なり)の部分に塗料が詰まってしまいます。
隙間を無くした屋根は、排水機能も通気性の確保も出来なくなり、内部に湿気や水が溜まってしまいます。
すると、上記で書いた通りの不具合(雨漏り・結露等)が起こってしまう可能性を高めてしまうのです。
上記の写真は、前回塗装時に縁切りをしなかった為、隙間が完全に塞がれた状態です。
写真にある通り、カッターで一度縁切りを行いましたが、案の定溜まった水分が出てきました。
どんなに良い塗料を使っても、その塗料が詰まってしまって、屋根自体に悪影響を及ぼしては、本末転倒です。
そこで以前(タスペーサーがなかった時代)は、カッター等を使い手作業で「縁切り(隙間を作る作業)」を行っておりましが、問題点がありました。
・塗装を仕上げた後に行う為、塗膜を傷つけて汚してしまう事
・多くの時間と手間がかかる為、コスト高になってしまう事
縁切りをしないと屋根には良くないけど、手作業の縁切りは問題点が多い...と塗装会社さんも職人さんも悩みの種だったのです。
それらを一気に解消してくれたのが『タスペーサー』という優れモノなのです。
タスペーサーは、建築資材開発・製造会社のセイム社の商品です。
現在は、この商品があるお陰で屋根にも職人さんにも、そしてお施主様にも優しい施工が出来る訳です。
タスペーサーの仕組みについては下記の通りです。
〇で囲った部分が、屋根と屋根の間に隙間を作り、雨水や湿気を逃す役割を果たします。
ここまでタスペーサーについて解説してきましたが、少しでもご理解頂けたなら大変嬉しく思います。
最後に当社のタスペーサーについてご説明致します。
H2リフォームでは、化粧スレートを塗装する際は、タスペーサーの取付が標準仕様となっております。
但し、塗り替え時に十分な隙間(4㎜以上)がある・屋根勾配(やねこうばい)が3寸以下など、条件によって取付は必要ない(or出来ない)場合があります。
その場合は、きちんんとお施主様に説明致しますので、ご安心ください。
タスペーサーに限らず当社は、適切な提案と1つ1つ丁寧な説明を心掛けておりますので、お気軽にご相談下さい。