鉄骨階段の塗装（駿河区M様邸）
2018.07.18
本日は、静岡市駿河区Ｍ様邸の階段塗装作業を行いました。
Ｍ様邸では、屋根葺き替え工事（既存屋根を撤去し、新たな屋根を設置）も行われており、作業の兼ね合いもあって塗装工事を一旦ストップしておりました。
ようやくお互いの作業に支障をきたさないところまで終了致しましたので、今日は塗装作業も再開です。
施工前
こちらは施工前の鉄骨階段の写真になりますが、至る所に傷みの症状が出てきてしまっています。
まず写真の赤枠①ですが、こちらでは旧塗膜内部で既に錆の症状が進んでいます。
その為、塗膜の膨れ・浮きが見られ、錆の証拠としてそこから錆汁が出ているのが分かると思います。
次に赤枠②ですが、こちらは①の症状（膨れ・浮き）が進行し、旧塗膜が剥がれてしまっている状態です。
ご覧の通り、錆の症状が完全に表面に現れてしまっており、腐食が進行しています。
最後に③ですが、こちらはさらに錆の腐食が進み、階段に穴が開いてしまっています。
ここまで傷みが激しくなると、"塗装のみ"によるメンテナンスでは、対応が難しくなってしまいます。
塗装で対処しきれない場合は、別工程として補修や交換が必要となり、より多くの費用がかかってしまいます。
施工中（ケレン）
こちらがケレン（錆を落とし、表面にあえて傷を付けて塗料の密着性を良くする事）後の写真です。
施工前にあった膨れや浮き箇所の旧塗膜を削ると、ご覧の通り至る所に錆が発生していましたので、なるべくケレン作業で取り除きました。
今回のようにケレンを行わず、施工前の状態で塗装をすると、その後すぐに錆が表面に出てきてしまう可能性が高いです。
従って"仕上がり"や"保護"の両方を考えると、ケレン作業がいかに大事かが分かると思います。
施工中（穴埋め）
写真の赤枠にご注目下さい。
錆の腐食が進行し過ぎた結果開いてしまった階段の穴が、キレイに埋まっています。
上記で腐食しきった穴は、塗装では対応しきれないと言いました。
ここまで鉄部が傷んでしまった場合の対処としては、"部分的に板金の溶接を行う"か"部材自体を交換する"のが良い選択だと思います。
しかし、別途費用がかかってしまう一方で、そこに予算を掛けられないとお施主様から相談を受けました。
そこで弊社は、穴の両面から防水テープ（塗装可）を張って穴を塞ぎ、その上に塗装をするといった対処法をご提案致しました。
そうする事で、"穴からの水の侵入を防ぎ更なる腐食の進行を抑える事"と"ある程度見た目もキレイになる事"が達成されると思ったからです。
ただ今回の方法は『あくまで苦肉の策である』と、お施主様にも何度も説明し、了承を得て実施しております。
やはり本来は、もっと初期段階でのメンテナンスを強くオススメ致します。
施工後
こちらが施工後の写真になりますが、いかがでしょうか。
ケレン後に錆止め（鉄部に塗る下塗り材）を行い、上塗り材（2回）を塗布するという通常工程を行いましたので、施工前と比べれば全体的に改善されたのではないかと思います。
しかし、どうしても錆の進行した部分や穴の補修箇所等の凹凸は、塗装で消す事が出来ません。
お施主様からは、お褒めの言葉を頂きましたが、正直職人として若干の悔しさ・もどかしさは有ります。
