本日は、静岡市駿河区M様邸にて屋根新設工事を行いました。
レッカー作業(新品屋根の荷揚げや旧折半屋根の荷降ろし)や下地調整(木工事やタイトフレームの設置など)は、既に終了しておりますので、新しい屋根を設置していきます。
M様邸の屋根葺き替え工事も終盤戦に突入です。
施工中(折半設置)
こちらが折半新設中の写真です。
新たな折半屋根の素材は、SGL(スーパーガルバリウム)0.8㎜製です。
通常の折半屋根は、厚さ0.5~0.6㎜を使用しますが、M様邸は沿岸部に近い立地条件や住宅を購入されたばかりで、今後長い間このお家での生活を予定している事を考慮し、厚めに致しました。
また少し前までは、金属屋根と言ったらガルバリウム鋼板でしたが、最近はSGLが主流となりつつあります。
このSGLは、その名の通りガルバリウム鋼板をさらに強化したもので、耐久性の面でも旧型より断然優れています。
施工中(箱樋)
こちらが箱樋(はこどい)設置中の写真です。
まず最初に簡単ではありますが、折半屋根の排水について説明致します。
折半屋根に降った雨水は、折半を伝って最終的にこの箱樋に集まります。
そして、そこから左右に設置してある竪樋(たてどい)を通って地上に排水されるという仕組みになっています。
では、オレンジ色の矢印にご注目下さい。
箱樋に集まった雨水を竪樋へ流すには、この『勾配(こうばい)』が必要となります。
この勾配とは"傾斜"の事で、これが無ければ雨水が箱樋に溜まってしまい、竪樋へスムーズに流れてくれません。
写真では分かりにくいと思いますが、矢印の方向の通り奥から手前にかけて勾配を作っております。
またこの勾配は、緩やか過ぎても急過ぎてもいけない為、微妙な按排が職人の腕の見せ所です。
次に青線と赤線を見て下さい。
以前は、箱樋の底から赤線の高さで屋根が設置されていました。
先程箱樋に雨水が集まると言いましたが、当然雨量が多ければ排水される前に雨水は、ある程度箱樋に溜まる事になります。
以前の高さ(赤線)では、高さが足りず溜まった水が屋根内部に逆流してしまっていました。
その為、今回新たに屋根を設置するにあたり、青線の高さに嵩上げ(かさあげ)致しました。
この高さがあれば、万が一箱樋に雨水が溜まったとしても逆流する可能性は極めて低くなりましたので、屋根から建物内部に水が浸入する事は、まずありません。
次回は、いよいよ屋根葺き替え工事が完了する予定です。